海の王者
「近頃の若者はだらしない」なんてオッサンの会話を良く耳にする。
「そうそう」なんて肩を組み出している自分にはっと気付き年甲斐もなく若者を意識し突っぱねるもうひとりの自分もいる。
まあどの時代にも問題児はいるわけで自分が大きな事を言えた柄ではないが間違いなく言える事は確実に命の重さが軽くなっているという事だろう。
自分より弱いものを守るという最低限のモラルさえ持てないものはもはや動物や魚以下である。
海の世界でも共生、共存というルールの下に弱肉強食の世界が成り立っている。
例えばメスの奪い合いにしても必ず自分より体の大きな相手に勝負を挑んで行く。その一方で傷だらけになった体で必死に卵を守る母親もいる。命を繋ぐ為に健気に生きぬき弱った仲間を助け合いようやく命のサイクルを築いて行ける。そんな姿を見ているといじめや自殺など起こりうる事が不思議でならなくなってくる。
社会性の無い若者達に言いたい。
社会とは愛する者を守る為のもの。金が無いならそれでいい、政治が苦手ならそれでいい。自分にゆとりなんか無くても最低限守らねばならないものが私達にはある。
クジラのような大きな心で広い大海原を共に生き抜いて行こう。
ザトウクジラ
体長12メートル。仰向けに水面を見つめぼーっと静止していた。
撮影地:沖縄県久米島